れいわ新選組、衆院選へ関西に活路 都構想では存在感

小泉浩樹
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 れいわ新選組山本太郎代表が、次期衆院選に向けて出身地でもある関西地方に活路を求めている。1日に否決された大阪都構想住民投票では、反対の立場で街宣活動を繰り広げ、一定の存在感を示した。さらに大阪と京都で衆院選の公認候補を擁立し、党勢拡大をめざす。

 「この大阪でもしっかり根を下ろしてやっていきます。ぜひお力をお借りしたい」

 3日、大阪市阿倍野区の商業施設前。山本氏は街宣を行い、タレントで新顔の八幡愛氏(33)の大阪1区擁立を発表した。4日には京都2区にマジシャンの中辰哉氏(44)を擁立することを発表。これで大阪と京都の候補者は計4人となり、東京の6人に次ぐ規模となった。

 山本氏の発信力を武器に支持を拡大してきたれいわ新選組。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で全国行脚は中断。山本氏は7月の東京都知事選に打って出たが、結果は3位に甘んじた。さらに党メンバーが「命の選別」を容認する発言をして除籍されるなど党内が混乱。朝日新聞社の10月の世論調査で、政党支持率は1%未満と低迷している。

 こうした状況を打ち破ろうと、山本氏は先月12日の住民投票の告示前から断続的に大阪入りし、街頭演説を繰り返した。告示後はほぼ連日大阪市内を回り、活動はのべ約30日に及んだ。

 タレント出身の知名度と持ち前の発信力に加えて、山本氏はもともと大阪府内の高校出身。関西弁を交えつつ「都構想は大阪府による大阪市へのかつあげだ」などと独特の言い回しで反対を訴えた。31日のJR大阪駅前の街宣を聞いていた会社員男性(53)は「演説がうまい。聴き入ってしまった。前回は賛成したが反対を検討したい」と話した。

 朝日新聞の投票当日の出口調査によると、無党派層の反対は61%にのぼった。日本維新の会の関係者は「山本氏の街頭演説にはたくさんの人が集まっていた。無党派層への一定の影響があったのではないか」と振り返る。ここ10年、維新の牙城(がじょう)だった大阪。山本氏は朝日新聞の取材に「大阪は別の勢力に変わらないといけない。私たちも名乗りを上げる権利がある」と話した。小泉浩樹

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