ウィーン銃撃、容疑者は保護観察下 脱過激化へ更生中

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モスクワ=喜田尚 ドバイ=伊藤喜之
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 オーストリアの首都ウィーンで市民4人が死亡、20人以上が負傷した襲撃事件で、同国政府は3日、警官に射殺された容疑者の男(20)が保護観察下にあり、過激化した若者を更生するプログラムを受けている最中だったと明らかにした。捜査当局は周辺国政府にも協力を求め、男の交友関係などを調べている。

 政府によると、男は同国と北マケドニアの両方の国籍を持つ。2日夜、ウィーン中心部の旧市街で自動小銃などで通りやレストランにいた人々を無差別に襲い、9分後に射殺された。オーストリアや北マケドニアからの報道によると、男の家族は2000年ごろに北マケドニア北西部のコソボとの国境に近い村からオーストリアに移住した。当時コソボでは独立をめぐる武力衝突が終わった直後だった。男はウィーンで生まれ育ったという。

 ネハンマー内相によると、男は昨年4月、過激派組織「イスラム国」(IS)に加わるためにシリアに渡ろうとしたとして1年10カ月の実刑判決を受けたが、更生が認められ、刑期の3分の1が過ぎた12月に3年間の保護観察付きで出所した。政府は、刑期より長く当局の関与を受けるための措置で、男は出所後も脱過激化プログラムを受けていたとする。ネハンマー氏は3日、記者団に「(男は)脱過激化プログラムの人々を欺いた」と話した。

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