静かに忍び寄る「医療崩壊」 疲弊する病院を襲う第2波

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聞き手・月舘彩子
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 新型コロナウイルスの国内感染者数が10万人を超えた。3~5月の「第1波」と比べ、7~9月の「第2波」は軽症の人が増え、死者数も減っている。この状況をどうみるのか。「第1波」と「第2波」の違いとは。都道府県別でみたときに、約3万人と最も多い感染者が報告されている、東京都の感染症医療体制協議会委員を務める山口芳裕・杏林大病院高度救命救急センター長に聞いた。

――「第1波」と比べ「第2波」では、東京都の死者数が3分の1以下に減っています。なぜでしょうか。

 都の分析会議のなかでも正直なところ、納得できる理由はだれも分かっていません。もっと重症者が増えていてもおかしくないと、みんなが思っています。

 ただ、「第1波」と比べて明らかに違うのは、高齢者施設や高齢者が多く入院する病院でのクラスター(感染者集団)の発生が抑えられていることです。80歳以上の高齢の感染者の数自体は「第1波」と「第2波」ではあまり変わりません。ただ、「第2波」では施設内での感染が抑えられたことで、重症化のリスクが高い寝たきりや重度の認知症の人などが感染するケースが減り、重症化を防ぐことができたのではないかと思います。

医療崩壊は起きていたのか?

――3~4月には、都内でも救命救急センターの患者の受け入れ制限などがありました。朝日新聞の集計では「第1波」の際、都内で約300人の新型コロナの死者が出ています。この数字だけを見ると、「第1波」のときに東京の医療は崩壊していたように感じられます。

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 今とは前提が違います。「第…

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