創意工夫はハンマー投げに限ったことではない 高橋繁浩
スポーツのミカタ
ハンマーを投げる瞬間、背筋には重さ400キロ以上の負荷がかかるという。一方、ハンマー投げは2秒間に全ての技術を集約するため、わずかな狂いが飛距離に大きく影響する繊細な競技でもある。その頂点に立った室伏広治氏が、スポーツ庁長官に就任した。
2014年まで中京大の教員をしていた仲間だ。
09年の夏、彼は腰痛治療のためプールでリハビリをしていた。ある日、平泳ぎを練習したいと言ってきた。25メートルを6かきで泳ぎ切ったことを称賛すると、北島康介選手は何かきなのか聞かれた。2かきと答えると、どうすればそれができるのか質問攻めにされた。練習の末、泳速こそ違うが見事に2かきで泳ぎきってしまった。
つらく暗い気持ちになりがちなリハビリの中であっても、できることを模索し、何かを得ようとする前向きな姿勢に驚かされた。
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彼が手作りした、ハンマー球…