戦禍に翻弄された初の3冠馬 その故郷を訪ねて

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松本龍三郎
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 25日に行われる中央競馬の第81回菊花賞(GI)で、コントレイルが日本競馬史上8頭目となる牡馬(ぼば)3冠をめざす。さかのぼること79年前、最初の3冠馬となったのがセントライトだ。歴史に残る名馬は、現在バターやチーズで有名な岩手・小岩井農場で生まれた。

 3歳馬のクラシックレースである皐月賞、ダービー、菊花賞を制した馬を「3冠馬」と呼ぶ。コントレイルの3冠がかかる菊花賞を前に、初代3冠馬の故郷を訪ねた。

 ところが、足跡をたどれるものはほとんど残されていなかった。その背景には、戦禍に翻弄(ほんろう)された時代があった。

 乳製品の生産で知られる小岩井農場。1891(明治24)年に開設され、1907(同40)年からは馬の生産を手がけた。実は、当時は国が管轄する千葉・下総御料牧場と並び、競走馬の一大生産拠点だった。

 今ならノーザンファームや社台ファームのような存在だろう。約800メートルと約1600メートルの周回馬場や、長さ2キロの直線馬場を完備し、調教施設のレベルも国内随一だった。

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 セントライトの父は英国のク…

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