3歳女児放置死、母親を起訴 刑事責任問えると判断か

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岩田恵実 滝口信之 高島曜介
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 東京都大田区マンションで6月、置き去りにされた女児(当時3)が飢餓と脱水で死亡した事件で、東京地検は23日、保護責任者遺棄致死容疑で逮捕された母親で元居酒屋従業員の梯(かけはし)沙希容疑者(25)を保護責任者遺棄と同致死の罪で起訴した。7月から実施された精神状態を調べる鑑定留置の結果を踏まえ、刑事責任が問えると判断した模様だ。

 起訴状などによると、梯容疑者は5月8~11日、鹿児島県に旅行するため、長女の稀華(のあ)ちゃんを自宅に置き去りにしたとされる。6月5~13日にも同県に行くため自宅に放置し、十分な食事を与えたり、医師の診断を受けさせたりせず、死亡させたとされる。

 捜査関係者によると、鹿児島旅行は知人男性と過ごすのが目的で、子どもがいることを隠していた。6月の旅行では、居酒屋での飲食やパチンコを繰り返した。梯容疑者は逮捕後、「育児に疲れ、リラックスしたかった。死ぬとは思わなかった」と供述したという。

 稀華ちゃんは汚れたおむつを長期間つけていたとみられ、死亡時は下半身の肌がただれていた。体重は同年齢の平均よりも3キロほど軽い約11キロだったという。

 捜査関係者によると、梯容疑者が稀華ちゃんと2人暮らしを始めたのは数年前。離婚がきっかけだった。育児放棄が始まったのは保育園をやめた昨年3月ごろとみられ、稀華ちゃんを自宅に置いて居酒屋の仕事に出かけるようになった。同僚らには子どもがいることを隠し、勤務後に飲み会やパチンコもしていたという。

 旅行中に稀華ちゃんを放置していたのはマンション1階の1DKの自宅奥の6畳居間だった。梯容疑者は窓の鍵をテープで固定して、ドアの前にソファを置き、稀華ちゃんが居間から自力で出られないようにしていたという。

「外出繰り返し、慣れてしまった結果では」 「児相が対応すべき」

 今回の事件のような育児放棄(ネグレクト)の被害は深刻だ。厚生労働省のまとめでは、2018年度に虐待死した子どもは73人(心中を含む)。このうちネグレクトは前年比5人増の25人で、初めて身体的虐待(23人)を上回り、内容別で最多だった。

 どうすれば防げるのか。

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