温室効果ガス、2050年に実質ゼロ 首相が表明へ調整

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 政府が、温室効果ガスの排出量を2050年に実質ゼロにする目標を掲げる方針であることがわかった。複数の政府関係者が明らかにした。菅義偉首相が、26日に召集される臨時国会での就任後初の所信表明演説で表明する方向で調整している。すでに欧州連合(EU)が「50年実質ゼロ」を掲げており、足並みをそろえることで地球温暖化対策に取り組む姿勢をアピールする狙いだ。

 温暖化対策の国際ルール「パリ協定」には、産業革命以前からの気温上昇を1・5度以内に抑える目標があり、実現するには50年までに世界全体の温室効果ガス排出を森林吸収分などを差し引いた実質ゼロにする必要がある。日本政府は、これまで「50年までに80%削減」や「50年にできるだけ近い時期に脱炭素社会を実現できるよう努力」といった目標は掲げていたが、いつ「実質ゼロ」を実現するのか、具体的な年限を示していなかった。

 世界では、EUのほかにも最大排出国の中国が今年9月、60年までに「実質ゼロ」とする目標を掲げたほか、米大統領選では民主党バイデン候補が温暖化対策に積極的に取り組む姿勢を見せている。日本は、石炭火力政策をめぐって「温暖化対策に消極的だ」と国内外から批判を受け、取り残される懸念が出ている。

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 「実質ゼロ」とは、二酸化炭…

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