不妊治療の受精卵を紛失、2年後に謝罪 病院と夫婦和解

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 不妊治療のために受精卵を育てて保存した「凍結胚(はい)」を北海道大学病院が紛失して精神的苦痛を受けたとして、道内の夫婦が北大に慰謝料1千万円を求めた訴訟が札幌地裁(広瀬孝裁判長)で和解が成立したことが夫婦側への取材でわかった。和解は1日付。北大が謝罪し、和解金を支払う内容という。

 訴状などによると、夫婦は2007年、北大病院が管理する液体窒素入りのタンクに受精卵6個を冷凍保存したが、翌年にこのうちの3個を紛失したことが判明した。病院側が誤って廃棄したと夫婦に謝罪したのは10年8月という。

 原告側によると、和解条項には、北大側が誤って受精卵を廃棄し、説明や謝罪が約2年遅れたことにより、夫婦が子どもを授かる機会を失わせたことを謝罪する内容が盛り込まれたという。和解金額は明らかにしていない。

 北大病院は「和解による解決のためコメントは差し控える」としている。

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