児童生徒タブレット1人1台、高浜市で完了 愛知
国が小中学生1人に1台のパソコンやタブレット端末の配備を進める中、愛知県高浜市は9月までに市内の全小中学生にタブレット端末の配布を終えた。全教室に設置した電子黒板とともにネット環境が整い、オンライン授業が始まった。市教委は、新型コロナウイルス感染症の拡大などで休校となっても対応できる、と期待している。
「高浜版GIGA(ギガ)スクール構想」として、8月に全小中学校の教員にiPad端末(351台)とカバー付きキーボードをセットで配り、教室に電子黒板(199台)を設置。全児童生徒へ端末4652セットを配り終えた。
全国の小中学生に「1人1台」のパソコンやタブレット端末を配備する国の「GIGAスクール構想」で、文部科学省は今年度末の達成を目標にする。配布完了した自治体は、同省の調査で8月末に全国で2%、9月末予定が2・3%。同市によると愛知県内では初で、端末が個々の携帯電話用回線で通信するLTE方式を採用し、工事が必要なWiFi(ワイファイ)方式より早く環境が整ったという。
活用を進めるため、教員は7月から研修を受け、9月からは隔週で1回のオンライン研修も始まった。高浜小では今月2日、端末を使った授業が公開された。
6年生の社会科で、平安時代の武士の暮らしを学ぶ内容。「ロイロノート」というアプリを使い、教員が当時の生活風景が描かれたイラストを児童に送り、子供たちは自分の端末で気づいた特徴の部分を○で囲って返信。それを電子黒板に映し出しながら進められた。授業の最後に、教員が通常の黒板に書いた要点を端末で撮影して保存した。
個々に対応するきめ細かな指導や、より視覚的な授業などが期待されている。同市の都築公人教育長は「あくまでもツール(道具)なので、うまく使いこなしてほしい」と話していた。