県産木材の使い道探る木製雑貨店 林業関係者が松山に

天野光一
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 愛媛県産木材の新たな需要を掘り起こそうと、林業関係者が今春、松山市住吉1丁目に木製雑貨の店「木生活(もくせいかつ)」を開いた。オリジナル製品を開発するほか、近くの作業場でワークショップも計画している。

 出店したのは林業に関係する若者の組織、愛媛木材青年協議会で知り合った3人。合同会社を設立し、県森林組合連合会に勤務していた宮浦英樹さん(47)が代表を務める。松山市の助成が受けられるチャレンジショップ制度を利用し、おしゃれなカフェなどが点在する三津浜地区に広さ45平方メートルの店を構えた。

 内装には県産ヒノキを使用。商品には県産材を使ったスピーカー、ブックカバー、アクセサリーなどが並ぶ。オリジナル製品として、起業した3人を猫になぞらえたイラスト入りのスマホスピーカーなども。

 宮浦さんらが起業した動機は、少子高齢化の影響で住宅着工戸数が減少傾向にあることだ。愛媛は昨年の農林水産省の調査でヒノキの木材生産量が全国4位。全国有数の森林県だけに影響は大きい。一方で、戦後に造林した木々は「今が使い時」。店を構えて消費者の動向を直接感じ、木材の新たな使い道を見つけたいと思ったという。

 オープンから半年、店で接客するようになって、宮浦さんは林業の将来に明るさも感じている。当たり前と思っていた店内の木の香りを「いいにおい」「ぬくもりがある」と喜んでくれる客が多いといい、「思っていたより木材の魅力を認めてくれる人たちがいる。新しい使い方が出てくる気がします」と話す。

 営業は午前10時から午後5時。火・水・木曜休み。(天野光一)

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