新型コロナウイルスの影響で売り上げが落ち込む企業が増えるなか、事業に必要な資金をネットで広く募るクラウドファンディングが注目されている。企業が商品開発などにあてる資金集めを手助けする「産業支援型」のプラットフォームを運営するマクアケ(東京都渋谷区)の坊垣佳奈・取締役(共同創業者)に現状と展望を聞いた。
――どんな事業を展開していますか。
「企業が開発している新商品・サービスを応援の気持ちを込めて買う『応援購入』の場をネット上に設けている。企業は集まった資金をもとに新商品をつくり、資金提供者は完成品をいち早く受け取れる仕組みだ。日本発の新商品が世界に広がっていない状況に危機感を抱き、2013年に事業を始めた。クラウドファンディングは困っている人に寄付するイメージが強いかもしれないが、マクアケは違う」
――企業がマクアケで事業資金を集める理由は。
「商品のマーケティングに生かせるからだ。今までは新商品がどれだけ売れるかを事前に知りたい時、買うかどうか分からない人へのアンケートなどに頼るしかなかった。マクアケで資金を集めて数量限定で商品をつくれば、実際に商品を買う人は男女どちらが多いのか、どの色の商品が人気なのかなどのデータが得られる。こうしたデータは、商品の量産などを社内で説得する材料になることも多い。ネット上に商品の紹介文が載るので、今まであまり接触できなかった年齢層の人たちに宣伝できる良さもある。寄付型のクラウドファンディングは中小企業の利用が多いが、マクアケはNECやキヤノンなどの大企業も目立つ」
――金融機関とはどのように連携していますか。
「新しい商品作りなどに挑戦…
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