プレタポルテの新時代を築く 信念貫いた高田賢三さん

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編集委員・高橋牧子

 絹より木綿。高価な注文服より、自由で自然な感じの既製服を。4日に81歳で亡くなったケンゾーの創始者、高田賢三さんは、1970年代初頭のパリで、イヴ・サンローランやソニア・リキエルらと共に、プレタポルテ(既製服)の新時代を作り上げた。

 目指したのは、「女性が1人でメトロに乗るための服」。社会で活躍し始めた女性たちのために、それまでの体に沿った優雅なオートクチュール(高級注文服)に代わる、ゆったりとした活動的な既製服だった。

 「フォークロア・ルック」の生みの親とも言われた。ギャザーたっぷりの花柄ドレスにビッグシルエット、肩からかける小さなポシェットなどのロマンチックな民族調。それは60年代半ばに横浜から船でアジアや中東、アフリカを回って渡欧したときに寄港した街で見た衣装や風俗をヒントにしたもの。「多彩な色や匂い、人々の記憶が役立った」と話していた。「木綿の詩人」との異名もある。

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