ハンコが行政の手続きや文書からなくなろうとしている。菅義偉首相や河野太郎行政改革相の意向を受けて、霞が関の官僚たちは「鶴のひと声があればやるしかない」と口をそろえる。役所の面倒な手続きが簡単になればいいが、課題はいろいろある。
急に決まった印象もある「脱ハンコ」だが、実は既定路線だった。安倍政権で7月に決めた規制改革実施計画に基づき、年内をめどに手続きの見直しを各府省に求めていた。
各府省がここに来て対応を急ぐ背景には、菅政権の発足や河野行革相の意向がある。河野氏は9月23日に「ハンコをすぐになくしたい」と述べ、全府省に要請した。小泉進次郎環境相は「まったく同感」とし、環境省は職員の出勤簿や育児休業の申請などについてすぐに押印を廃止した。環境省のある幹部は「大臣から鶴のひと声がかかるとやらなければいけない感じになる」(幹部)と明かす。
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官僚は権益を守るためや前例…
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