男子校の修学旅行?日本企業の訪問団 風吹かす女性社長
編集委員・吉岡桂子
コラム「多事奏論」 吉岡桂子(編集委員)
ああ、帰ってきたなあ、と実感する。
新内閣が発足した日、3年余り駐在したバンコクから東京に戻った。ちょうど発表された閣僚に女性は2人。手元のスマホのSNSには、対照的なフィンランドの女性リーダーたちを並べた写真が飛び交う。
ある風景を思い出した。日タイ修好130周年の2017年、約600人もの日本企業の訪問団がバンコクにやってきた。首相府がダークスーツで埋まった。現地代表を含めてほぼ、中高年の日本人男性だ。
中国特派員時代にも、北京の人民大会堂で似たような取材を何度もした。念のために言うと、参加者が訪問団にふさわしくないと思っているわけではない。ただ、属性のあまりの偏りに対する違和感と、当事者たちの違和感がなさそうな様子に対する、これまた違和感は忘れがたい。
なぜ、日本の経済界の訪問団は、男子校の修学旅行のような風景になるのか。
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働く女性は増えても、参加の…
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