ドワンゴの救世主②
「功成り名を遂げた男がなぜ?」
夏野剛(55)がドワンゴの社長に就くと、多くの人がそう受け止めた。「失敗したら信用をなくすよ」。そう忠告する人もいた。
だから「火中の栗を拾った」と彼は言うが、ドワンゴ創業者の川上量生(52)の見方は少し違う。川上は、就任を打診された夏野が「もっと早く頼んでほしかった」と漏らした一言で、その胸に秘めた思いに初めて気づいたという。
そんな野心の存在を尋ねると、夏野は「いやいや」と否定し、「こんなに大赤字になる前に言ってほしかった、という意味です」と苦笑した。だが、いくつもの社外取締役を兼ね、政府の規制改革推進会議の委員など30もの肩書を持つ夏野にとって、ドワンゴがずっと「特別な会社」であり続けたのは間違いない。
ニコニコ動画のドワンゴが窮地に陥った。会員が減り、ついには赤字に。突然社長を託されたのはiモードの男、夏野剛。ネット・IT界のレジェンドである彼が陣頭指揮をとると、ドワンゴは一変。魔法が起きた。
「定石的手法」で急回復した業績
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