製錬所の巨大機械 愛媛県総合科学博物館の屋外に

学芸課・吉村久美子
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 愛媛県総合科学博物館の屋外展示場は、遠足シーズンになると芝生の上にシートを広げ、お弁当を食べる子どもたちでにぎわう。その目の前には、様々な大型産業機械が展示されている。写真に写るのはGF型転炉とカラミ電車。どちらも瀬戸内海に浮かぶ四阪島(しさかじま)(愛媛県今治市)で、実際に使われていたものだ。

 四阪島は、かつて銅の製錬所があった島。明治期、製錬所から出る煙が東予一円に広がった。それを解決するため桜井村の村長曽我部右吉が立ち上がり、住友との交渉に尽力する。昭和初期、住友が中和工場を完成させ、煙害問題は完全解決した。昭和中期、島の人口は約3800人を数えたが、昭和後期、銅製錬が終わり、島に住む人は皆無となった。激動の歴史、ここにあり、である。

 GF型転炉とカラミ電車は1922年から60年ごろまで使用された。転炉は、銅鉱石をドロドロに溶かしたものを中に入れ、酸素を吹き込み、粗銅を作る機械。カラミ電車は、溶鉱炉から出るカラミ(銅を含まない残りカス)を運搬した電車。展示物一つ一つが、愛媛の産業史の生き証人だ。ご来館の際は、ぜひ屋外展示場にも足を運び、実物を見ていただきたい。

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 愛媛県総合科学博物館 愛媛県新居浜市大生院2133の2(0897・40・4100)。午前9時~午後5時半。常設展示観覧料は高校生以上520円、65歳以上270円、小・中学生無料。JR新居浜駅、伊予西条駅からバスで約20分。

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