岐阜で低く実る新品種米 高温に強く、ココイチにも出荷

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高木文子
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 実りの秋がやってきた。岐阜地域では今季、コメの新しい品種の作付けが広がっている。高温に強い品種を取り入れたり、田植えや収穫の時期をずらしたりと、模索が続く。

 岐阜県立岐阜農林高校北方町)では9月半ば、新品種「にじのきらめき」が黄金色に実っていた。校内の水田約1ヘクタールで栽培し、流通科学科の生徒たちがコンバインや鎌で刈り取った。

 刈り取る前のイネの高さは70~80センチほどで、コシヒカリより20センチほど短いという。校内の別の水田では、にじのきらめきより背丈が高く、軒並み倒れた品種もある。「8月後半の雨風で倒れた品種もあったけれど、にじのきらめきは背が低くて倒れなかった」と大平晏菜さん(3年)。川辺愛奈さん(同)も「知られていない品種だけれど、これから広まっていくのでは」と期待した。

 にじのきらめきは、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)が開発した新品種。コシヒカリは高温の影響で実が白濁し、品質が下がる弱点があるのに対して、にじのきらめきは高温に強く、収量も15~30%多い。粒が大きく、甘みのある食感だ。

 県内では2018年に本巣、瑞穂両市で作付けが始まり、今年4月に県が産地品種銘柄に登録したばかり。JAぎふによると、岐阜地域にある同JAの契約農家では、18年に1・2ヘクタールだった作付面積が、19年は30ヘクタール、20年は180ヘクタールと大きく伸びた。収穫米は「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋へ出荷している。

 北方町でも、町と生産者団体…

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