無罪判決の母「堂々と息子に会える」 乳児揺さぶり裁判

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 生後3カ月だった長男を揺さぶり脳などに重い後遺症を伴う傷害を負わせたとして傷害罪に問われ、25日に岐阜地裁で無罪(求刑懲役5年)の判決を受けた母親の浅野明音さん(27)がコメントを出した。弁護団が読み上げた内容は以下の通り(一部を修正しています)。

    ◇

 今回の裁判の起訴内容はすべて誤りで事実無根でした。私は息子に対して一切の暴行を加えたことはありません。息子が重篤なけがをしてしまった原因はソファから落下したことによるものであり、あまりに軽率な行動だったと深く反省しています。なんであの日に限って目を離したんだと、自分で自分に怒りをぶつける日々です。

 逮捕、起訴は不当だったということになります。虐待児を直接診察などしたことのない内科医が書いた鑑定書と、非常に問題のある眼科医の意見書をうのみにして、逮捕にふみきったということ、どうしてこんなことがまかりとおったのか理解できません。

 私以外にたくさんの方々が同じような目にあっているので許せないです。無罪を勝ちとれても、すぐにもとの生活が戻るわけではありません。逮捕されてから判決までの時間は3年以上でした。とてつもなく長い時間です。ふつうに3年間過ごすのとは全然違います。その時間は絶対に巻き戻せません。本当なら警察や検察、協力した医師たちにその時間を返してほしい。事故当初、児童相談所の指示で面会制限をつけられていた時間も返してほしい。

 SBS(乳幼児揺さぶられ症候群)事案で訴追された方々の無罪判決、不起訴をまっすぐ受けとめて、正しい判断を、司法に携わる方たちにはしてほしい。まったく身に覚えがないことをでっちあげられ、押しつけられ、身勝手に犯罪者に仕立てられ、世にさらされて平穏な生活を理不尽に奪われるのです。何もしていないのに罪人として他人から見られ、扱われる立場をしっかり考えて、まともな活動をしてほしい。

 今後は、今までよりももっと堂々と息子に会いに行けることがたまらなくうれしいです。被告人という負い目なく、会いに行くことができます。でも、自分の不注意のせいで息子をこんな状況にしてしまったという責任の重さは変わらないので、しっかりと受け止めていきたいです。うまく思いや考えがまとまりませんが、少しでも伝われば幸いです。

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