コロナ禍におまじない効け 頑張りすぎの自分をいたわる

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松本紗知
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 地震をしずめる「まじゃらく まじゃらく」、痛みどめの「いたいのいたいのとんでいけ」。怖いときや不安なときに、昔から人々が唱えてきた「おまじない」を紹介した絵本「つるかめ つるかめ」(あすなろ書房)が、8月に出版されました。コロナ禍を受けて、急きょ制作されたもので、文を手がけた作家の中脇初枝さんは「不安を抱えている子どもや大人、そして、無理をして頑張りすぎている人に届けたい」と話します。

 この春、新型コロナウイルスの流行で学校は休校になり、緊急事態宣言が出て、外出自粛の動きが広がった。

物書きの自分にいまできること

 「単に不自由なだけではなく、家にいるのがつらい人もいると思った。これまでの当たり前の生活が失われ、先行きが見えず、精神的にも経済的にも多くの人が不安を抱えている。そんなとき、物書きの自分には、いま何ができるだろうと考えた」。古くから人々の不安を和らげてきた、おまじないを紹介する絵本を思い立った。

 大学時代には民俗学を学び、おまじないの伝承にはもともと関心があった。自身も、小さいころからおまじないを唱え、おまじないに勇気づけられてきた。「おまじないって、いつ教えてもらったかもわからないけれど、いつのまにか覚えているもの。誰かと出会って、いろんなことを自分の中に積み重ねて生きてきた証しのように感じています」

 こんなエピソードも。大人になった中脇さんが何人かの子どもたちと一緒に外を歩いているとき、小学1年生の男の子が雷を怖がって動けなくなったことがある。

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 その男の子に「くわばら く…

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