日本最小、温和で力持ち 今治で野間馬のんびり

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天野光一
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 体高120センチ以下。体に比べて頭が大きく、ずん胴体形の野間馬(のまうま)は、日本在来馬の中で最も小さい。“ふるさと”の愛媛県今治市の「のまうまハイランド」では約50頭が体を寄せ合い、のんびりと過ごしている。

 野間馬の歴史は江戸時代前期、松山藩主の松平定行が軍馬育成を試みたことに始まる。小島での飼育は、病気やエサ不足で失敗。そこで、今のハイランドがある、松山藩領内の野間地域の農家に馬の飼育を依頼した。体高121センチより大きい馬は買い上げ、小さい馬は農家に無償で払い下げられた。そのため農家では、体高が低い馬どうしの子が生まれ、小さな野間馬ができたとされる。

 蹄(ひづめ)が硬く、蹄鉄(ていてつ)なしでも行動でき、70キロ前後の荷物を運ぶ力持ち。田畑を耕すのにも活躍したが、明治時代になると、大型の軍馬育成が優先され、小型馬の飼育は禁じられた。戦後は自動車が普及したこともあり、昭和30年代には全国で6頭にまで減ってしまったという。

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