おまキタ 水木・河原子歩道橋 茨城県日立市

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古源盛一

 橋桁が持ち上がる――。8月下旬の午前2時過ぎ、茨城県日立市の国道245号の「動く歩道橋」のそばで、記者(49)はその時を待った。超合金ロボを手に「変形!」と叫んだ子ども時代を思い出し心は躍った。

 作業員の1人は階段下の制御設備に、3人は橋の上へ。下りてきたT字形の器具を橋桁両側のへこんだ部分に引っかけて固定する。「いいぞー」という確認の声が響くと、電動ウィンチで巻き上げ、橋桁だけが上に4メートル分持ち上がった。歩道橋の高さは9メートルに変形した。十数分後、前後を誘導車両に挟まれた積載量230トントレーラーがゆっくりと下をくぐった。

 動く歩道橋とは水木歩道橋と河原子歩道橋のことで、昭和40年代に建設された。自動車の普及で交通事故が相次いだ「交通戦争」のさなかに、両歩道橋の近くにある水木小と河原子小の子どもたちの命を守るために通学路として整備された。全国的にも珍しいという。

 所有は県だが、建設には日立…

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