自分でなんとかしなきゃ 菅氏の「自助」と若者の無力感

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斉藤寛子 黒田壮吉 増山祐史
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 第2次安倍政権が誕生したのは7年8カ月前。「首相といえば安倍さん」という世代の若者たちは、どんな時代として記憶し、首相交代劇に何を思うのか。

 「小中学生のころは、首相がコロコロと交代していた印象がある。在任7年8カ月は長いと思うけど、安倍さんは外交などで行動力もあって信頼していた」。東京都日野市の男性会社員(24)はそう語る。

 第2次安倍政権の特徴のひとつは、若い男性の支持率の高さだ。朝日新聞の世論調査では、7年8カ月の政権支持率は全体平均で44%。18~29歳(16年5月以前は20代)の男性では57%になる。

 熊本出身で都内の不動産会社に勤める男性(25)も「もっと安倍政権が続くことを望んでいたのに」と落胆する。20歳で不動産業界に入り、主に手がけるのは投資用マンション。海外投資家や節税目的の医師らに売れ、3年目で年収は約1千万円になった。

 アベノミクスの恩恵をうけた人々が限定的だとは分かっている。「地元・熊本の友人の多くは非正規社員。給料が安いという話もよく聞く。でも、自分でどうにかするしかないな」

強まる自己責任論、漂う無力感

 若者たちの声は、知り合いの知り合いをたどったり、渋谷ハチ公前や東京駅前などで声をかけたりして集めた。7年8カ月の「政治と暮らし」を振り返ってもらう中で、たびたび挙がったのが、この自己責任論だ。

 広告会社に勤める男性(23)も「だれも助けてくれない。自分でなんとかしなければ」という。

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