伊調も欲しい 五輪目指した書道家が窮地で書いたポエム

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金島淑華
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 「夢に向かって頑張るアスリートを筆文字で応援したい」。新型コロナウイルスの影響で休業に追い込まれた書道家が書いた作品は100枚を超えた。

 ロンドン・オリンピック(五輪)体操女子日本代表の田中理恵さんは33歳の誕生日を迎えた6月11日、SNSで偶然見つけた1枚の色紙に釘付けになった。

 たくさんの挫折を乗り越えて

 なんども挑み辿(たど)り着いた

 かけがえのない父母兄弟の存在

 りりしく美しく世界の舞台で人々を魅了

 えがおの演技で日本女子初のエレガンス賞!

 田中さんの名前を使った「あいうえお作文」が筆文字で書かれていた。「私のことをよく分かっている言葉が並んでいて、うれしかった」。わざわざ連絡を取って作品を譲り受けた。

 作者は五輪を目指した元競泳選手で、書道家の白鳥正人さん(40)。5歳で水泳、7歳で書道を始めた。書道学科がある大学から誘いを受けるほどの書道の腕前だった。一方、競泳は小中学校では全国大会に出場したものの、高校は関東大会出場止まり。それでも、「五輪を目指してやり遂げたい」。東海大に一般受験で進学した。1学年下にはアテネ五輪代表の今村元気さんがいた。白鳥さんも大学院2年だった2004年のアテネ五輪日本代表選考会に出場したものの、男子100メートルバタフライで予選落ちし、引退を決めた。

 引退後は書道用具メーカーな…

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