マスク拒否で国内初の臨時着陸 そもそも「お願い」とは

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川田惇史 辻健治 山根久美子
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 航空機内で男性がマスク着用を拒否して騒動となり、機体は臨時着陸して男性は降ろされた。国内でマスク着用は「お願い」だが、海外では義務のケースもある。新型コロナウイルスの感染が収まらないなか、公共交通機関内でのマスクをどう考えればいいのか。

 騒動があったのは7日、釧路空港から関西空港に向かう格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの機内だった。同社によると午後0時半の離陸前、マスクをしていなかった男性客に客室乗務員が着用を求めたところ、男性は「どういう規則ですか。書類を出すべきでしょう」などと拒んだ。座席変更を促しても応じなかった。

 そのため、周りの乗客が移動。濃霧の影響も重なり43分遅れで出発したが、離陸後も男性はマスクの着用を巡って他の客と言い争ったという。

 機長は、男性の行為が航空法73条の「機内の秩序を乱す安全阻害行為」にあたると判断。新潟空港に臨時着陸し、警告書を出して降りるように促すと、男性は従った。機体は2時間16分遅れて関空に到着した。

国内ではマスク着用は「要請」

 国土交通省によると、マスク着用を巡るトラブルで国内線の旅客機が臨時着陸したのは初めて。同省航空保安対策室の担当者は「機内で携帯電話を使う、トイレでたばこを吸う、非常口を操作するなどの航空機の安全を害する行為でない限り、人命に関わるものではないので、罰則はない」と言う。ピーチ広報は、警察への通報の有無や遅延に伴う男性への損害賠償請求について「答えられない」とする。

 ピーチを含む国内の航空会社19社でつくる定期航空協会は5月、コロナ対策のガイドラインを策定。「機内座席ではマスクの着用を要請すること(幼児及び着用が難しい理由のある旅客を除く)」としている。「要請」のため、航空各社はマスクの未着用で搭乗拒否はできない。

 大手では、日本航空は「必ずマスクを着用してください」、全日空は「マスク等を必ずご着用ください」と呼びかけ、共に「ご搭乗をお断りする場合がございます」としている。

 国交省危機管理室の担当者は「国内では公共の場でもマスク着用は義務化されておらず、機内だけ義務化することが社会的に認められるのかどうか。法律改正が必要になる」と話す。

マスク着用を義務化する航空会社も

 海外ではマスク着用を義務づ…

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