コロナの世界で NY在住2人組がつなぐネットとアート

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編集委員・大西若人
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 1996年の結成以来、インターネットやネット社会を題材にしてきた、千房(せんぼう)けん輔さん(1972年生まれ)と赤岩やえさん(73年生まれ)の2人組「エキソニモ」の個展が、東京・恵比寿の東京都写真美術館で開催中だ。スタイリッシュな展示で、ネットの変遷も追体験できる。

 電子機器の基板を思わせる床をケーブルがはい、その先々に、初期作から最新作までの約20点がほぼ年代順に「接続」されている。

 会場に入ってすぐ、結成当初の作品「KAO」(96年)と出あう。ブラウン管の中にシンプルでかわいい顔が浮かび、形や色が変化してゆく。元々は、観客がウェブ上で顔のパーツを福笑いのように配して送信すると、すでにある顔と混ざって両者の子供の顔が作られる、という作品だった。素朴な絵柄はダイヤル回線時代ゆえだ。

 この作品も含め、制作当時の機材が使われ、変色したマウスなども登場。その中で浮上するのは、ユーモアを備えた批評性だ。概念や技術が先行しがちなメディアアート界では、珍しい存在といえる。

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 「断末魔ウス」(2007年…

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