香川県丸亀市に住むフリージャーナリストの臼杵敬子さん(72)は30年余り、韓国の元日本軍慰安婦の支援を続けている。日本政府に謝罪と賠償を求めて提訴したころから多くの当事者と接し、話を聞いてきた。戦後75年。元徴用工の補償などを巡って日韓関係は今もこじれている。臼杵さんは両政府がじかに事実を検証する作業が、問題解決には欠かせないと訴える。
臼杵さんは1976年、初めて訪韓。民主化運動などに関心をもち、80年代にはソウルに留学もし、何度も行き来した。当時の韓国便の乗客は男ばかり。臼杵さんは日本人男性の「買春ツアー」問題を取材し、雑誌にルポを書いたりした。
そんな中、ベトナム戦争で韓国へ避難した難民に、かつて朝鮮半島からビルマ(現ミャンマー)へ連れて行かれた元日本軍慰安婦の女性がいることを知り、インタビューした。初めて聞く「慰安所」の壮絶な実態に衝撃を受けた。
ここから続き
90年夏、元日本軍人軍属や…