北海道)東大から返還、アイヌ遺骨を再埋葬 浦幌の団体

中沢滋人
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 北海道浦幌町で見つかり東京大学が保管していたアイヌ民族の遺骨6体が地元のアイヌ民族の団体「ラポロアイヌネイション」(旧浦幌アイヌ協会、長根弘喜会長)に返還された。釧路地裁で成立した和解を受けたもの。遺骨6体は22日、団体の手で浦幌町の墓地に再埋葬された。

 訴状などによると、遺骨は1888年に東京帝大(現東大)教授、1965年に東大教授がそれぞれ、研究用と称して同町のアイヌ集落の墓地を掘り返し、持ち去ったもの。今回の再埋葬で、団体が道内外の大学に求めていた遺骨計102体のすべての返還、再埋葬が完了した。

 この日は、アイヌの民族衣装を着た団体員らがアイヌの神事「カムイノミ」をしたあと、町内の墓地に移動し、遺骨を埋葬した。旧浦幌アイヌ協会の元会長・差間正樹さん(69)は「先祖を地元の土に返すことが出来、安堵(あんど)の思いでいっぱい」。長根会長は「安らかに眠ってくださいと声を掛けたい」と述べた。(中沢滋人)

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