34歳で亡くなった捕虜の祖父 足跡たどり見つけた場所

有料記事

バンコク=染田屋竜太
[PR]

 戦時中、捕虜にされて亡くなった祖父を持つオランダ人男性がいる。「どんな最期だったのか知りたい」。終戦から75年の時を経て、世代をまたいだ今も、残された資料や証言を元に家族の歴史をたどっている。

 オランダ・アムステルダムに住むエリック・ブロークローロフさん(49)は幼い頃から家族に、「おじいちゃんはタイに眠っている」とだけ聞かされていた。祖父のジャンさんは泰緬鉄道の建設に携わり、亡くなった。

 2003年、タイへの観光旅行の途中、エリックさんは祖父が埋葬されているというカンチャナブリの墓地を尋ねた。数え切れないほどの捕虜の墓石が並ぶ中、祖父の墓を見つけると、胸が詰まってその場から動けなかった。

 「祖父のことをもっと知りたい」。カンチャナブリで欧米人捕虜の記録を集めている豪州人、ロッド・ビーティーさん(72)に協力を依頼し、04年からオランダの赤十字などに残された資料をかき集めて祖父の最期の足取りをたどった。

 翌年ついに、捕虜たちが暮ら…

この記事は有料記事です。残り678文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
染田屋竜太
東京社会部
専門・関心分野
事件・事故 国際ニュース(アジア)