「明けない夜ない」 ケアの仕事の思い、分かち合う手紙

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石川春菜

 ケアの仕事をするわたしからあなたへ――。医療や介護、障害者福祉など、ケアに携わる人たちの思いを「手紙」にして、ネット上で共有する取り組み「ケアレター」が始まった。社会に欠かせない仕事だけれど、新型コロナウイルスの感染拡大で不安が募る。逆風のなかで、仕事や自分自身に向き合う思いが寄せられている。

「つらい」と言葉にしたっていい

 「いつも頑張っているからこそ、体と心を大切にしてほしい。自分で自身を褒めてほしいな」「明けない夜はない」「『今つらいです』、と時には言葉にしたっていい」。特設のウェブサイトには、全国の介護職などの人から寄せられた温かい言葉が並ぶ。

 医療的ケア児の訪問看護に携わる東京都の40代女性は今春、感染が拡大するなか、4歳の子どもを幼稚園に預けて仕事を続けた。「子どもを優先して仕事を休む選択をしていない自分はダメな母親」と葛藤したこともあったが、「自分の家族はもちろん大切、同時にケアを必要としている子や家族の命、生活も大切にしたい」と気づき、前向きに仕事ができるようになった、との思いをつづった。

 都内でヘルパーとして働く鎮目彩子さん(37)ら、ケアに携わる3人の有志が立ち上げた。鎮目さんは緊急事態宣言が出た4月、「不安で家族のそばにいたい気持ちも、利用者の暮らしに欠かせない仕事だからこそ出勤したい気持ちも、両方あった」と振り返る。「密」を避けるため、職場の同僚らとそういった思いを話し合う機会が持てなかったことが、「ケアレター」の構想につながった。

 事務局に手紙を送ると、ウェ…

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