渡辺二冠、初めて名人獲得 史上4番目の年長で悲願達成

佐藤圭司
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 第78期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第6局の2日目が15日、大阪市福島区関西将棋会館で指され、挑戦者の渡辺明二冠(36)が豊島将之名人(30)=竜王とあわせ二冠=に99手で勝ち、対戦成績4勝2敗で初めて名人位を獲得した。36歳3カ月での初獲得は史上4番目の年長記録となる。

 今期の名人戦は、コロナ禍に伴い、例年より2カ月遅れの6月に開幕した。第1局から終盤勝負の接戦が続いた。

 渡辺挑戦者は東京都葛飾区出身で、2000年にプロ入り。史上4人目の「中学生棋士」と注目された。04年12月に初タイトルの竜王を獲得。05年には竜王2期獲得により史上最年少(21歳7カ月)で最高位の九段に昇った。08年には初代「永世竜王」の称号を、17年には「永世棋王」の称号をそれぞれ獲得。これまでのタイトル獲得は通算25期(竜王11期、王座1期、棋王8期、王将4期、棋聖1期)にのぼる。ただ、名人挑戦は今回が初めて。7月に藤井聡太棋聖(18)に棋聖戦五番勝負で敗れ、名人戦開幕時の三冠から二冠になっていたが、名人奪取で自身3度目の三冠達成となった。

 初防衛を目指したものの敗れた豊島名人は、竜王のみの一冠となった。(佐藤圭司)

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