戦没者追悼式、規模を縮小 天皇陛下「深い反省」今年も

有料記事戦後75年特集

石川春菜 長谷文
【動画】戦後75年の全国戦没者追悼式=山本裕之、杉本康弘撮影
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 終戦から75年の節目の15日、政府主催の全国戦没者追悼式日本武道館東京都千代田区)で開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて参列者は過去最少の540人となったが、戦没者約310万人を悼み、平和への誓いを新たにした。

 追悼式には遺族193人のほか、天皇、皇后両陛下や首相をはじめとする三権の長らが参列。正午から1分間、参列者全員で黙禱(もくとう)を捧げた。

 天皇陛下は「おことば」で昨年同様に「深い反省」を盛り込み、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」を切に願うと述べた。コロナ禍についても公の場で初めて言及。「私たち皆が手を共に携えて、この困難な状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と語った。

 昨年は遺族4989人を含む約6200人が参列した。今年は会場のある東京で新型コロナの感染が拡大しており、重症化しやすい高齢の遺族に配慮するなどして20府県が参列を見送った。厚生労働省によると、14日時点で遺族224人が参列を予定していたが、当日までに31人が取りやめ、実際の参列は193人だった。1963年に始まった追悼式で自治体単位の欠席は、台風などによるものを除けば初めて。参列できない人のために、厚生労働省は動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」で式典終了まで同時配信した。

 戦争を知る世代は減り続け、昨年10月時点で総人口の約15%になった。

 参列した遺族の最高齢は北海道の長屋昭次さん(93)。感染への懸念からためらいもあったが、「私の年齢ではこれが最後かもしれない。元気に長生きしていると戦死した兄に伝えたい」と参列を決めた。

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