外相同士がツイッターで口論 アジアのここにも領土問題

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シンガポール=西村宏治 バンコク=貝瀬秋彦
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 ボルネオ島北東部のサバの領有権をめぐり、マレーシアとフィリピンの外相がツイッターで批判の応酬をし、マレーシア政府がフィリピンの大使を呼びつける事態になった。フィリピン側の対応しだいでは、緊張が高まる可能性がある。

 フィリピンの米大使館のツイートに「サバ、マレーシア」との表記があったことから、フィリピンのロクシン外相が7月27日に「サバはマレーシアではない」とツイート。すると、マレーシアのヒシャムディン外相は29日、「両国のつながりに影響を与える不適当な発言だ」「サバはマレーシアの一部であり、これからもそうだ」と反論した。

 マレーシア政府は8月4日にフィリピン大使を呼んで説明を求めたといい、ヒシャムディン氏は5日の国会でも「サバについて海外からの要求に耳を傾けたり、要求を聞き入れたりすることはない」と強調した。

 英領ボルネオの一部だったサバは、1963年に自主的にマレーシアに加わったというのがマレーシアの立場だ。一方、フィリピンは同国に属するスールー諸島の首長がかつてサバを治めており、主権は残っていると主張。これまでもたびたび、両国関係が冷え込む原因になってきた。

 2013年には、フィリピン…

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この記事を書いた人
貝瀬秋彦
ソウル支局長
専門・関心分野
朝鮮半島、東南アジア、核問題、人権問題