第3回75年前の「自粛警察」 私はパーマの女性に石を投げた

有料記事戦後75年 コロナ禍の夏に

丸山ひかり
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 太平洋戦争末期の、ある日。宇都宮市内で、国民学校から友達と下校していた生井弘明さん(86)は、若い女性の2人連れを見つけた。

 1人は、明るい色調の和服。特に目を引いたのが、ウェーブがかかった髪だ。きれいになでつけられて、光って見えた。

 「パーマだ」。当時、男性は国民服、女性はもんぺ姿の人が多かった。少年たちは「ぜいたくだ、こらしめよう」と思い立った。

 未知の感染症におびやかされ、窮屈な暮らしが続く今年の夏。75年前、今よりはるかに苛烈(かれつ)な夏があった。「あの夏」を知る人たちは、この夏をどんな思いで見つめるのか。記者がたずねた。

 「いーまは節約時代。パーマ…

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