奇跡のバックホームが人生変えた 選手も記者も揺れた心

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【朝日新聞ポッドキャスト】音でよみがえる甲子園② 松山商×熊本工

 1996年夏、第78回全国高校野球選手権大会の決勝、松山商(愛媛)―熊本工(熊本)。長い高校野球の歴史でも、「奇跡のバックホーム」と言えばこの試合だ。熊本工の三塁走者・星子崇は右翼手が飛球をつかむと同時にスタートを切り、本塁へ滑り込んだが、タッチアウト。試合は松山商が勝ったが、プレーは両ナインの人生に色濃く影を落としていく……。

 高校野球取材歴の長いベテラン、安藤嘉浩編集委員が語ります。白熱の実況音声とともに、朝日新聞ポッドキャストでお楽しみください。主な内容は以下の通りです。(文中敬称略)

・どちらが勝つか、記者の気持ちも行ったり来たり

・「引き寄せられた」球審、「亡きおやじの声」聞こえた監督

・アウトになった苦しみ、晴らした20年後の再試合

有料会員の方は

収録に当たって記者がまとめた取材メモを、記事の形で読んでいただけます。(音声をそのまま書き起こしたものではありません)

ポッドキャストでは

「優勝まであとストライク一つになりました。ストラーイク! 6対3、愛媛代表松山商業、27年ぶり5回目の夏全国制覇。マウンド上で喜びをかみしめています」 朝日放送テレビのあの名実況をお聞きいただけます。

     ◇

 「奇跡のバックホーム」を、ぼくは阪神甲子園球場のネット裏前方、ほぼグラウンドと変わらない高さの通路にしゃがんで見ていました。

 やや一塁側寄り前方に関係者が通れる階段があって、その階段を下りると、グラウンドに出ることができます。決勝だけは試合後の取材がグラウンドであるので、早めに待機しなければならないのです。

 「奇跡のバックホーム」の場面は延長十回裏1死満塁でしたから、サヨナラで決着がつく可能性が高い。我々も「流れは熊本工にあるな。サヨナラになるぞ」と考えていました。

 だから、先頭の星子が二塁打…

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