「猫島」に癒やされたい 15人と90匹の暮らしとは

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石平道典
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 空前の猫ブームの中、離島に多くの猫が暮らす各地の「猫島」が、観光客の人気を集めている。人口より猫が多い島、猫の神社がある島など様々あり、癒やしを求めに来る人が後を絶たない。高齢化と人口減少が進む島々で、猫たちは貴重な地域資源になっている。

 大分県最南端に浮かぶ深島(ふかしま)。周囲約4キロの島には、島民15人に対し、はるかに多い約90匹の猫が暮らす。7月初め、同県佐伯市の港から定期船に約30分乗って島に着くと、至る所で猫たちがのんびりと寝転び、日なたぼっこしていた。

 子猫の面倒見がいい、あっぷる。人と適度な距離を保つカサゴ。長毛で短足のロッキー……。「1匹1匹に名前がついています」。島に暮らす安部あづみさん(32)が教えてくれた。

 結婚を機に深島に移住。島育ちの夫・達也さん(40)と宿泊施設や食堂を営み、2人の娘を育てている。「島の人たちはずっと昔から猫とともに生活してきたので、猫は当たり前の友だちのような存在」と安部さん。島には犬を飼ってはいけないという言い伝えがあるという。

 サンゴや魚など様々な生き物が生息する美しい海に囲まれ、海水浴やマリンスポーツで人気の島だ。それが5年ほど前から「猫島」としてインターネットや口コミで知られるようになり、猫目当ての観光客が増えてきた。

「たまらなくかわいい」

 カメラマンのsimabossneko(シマボスネコ)さんもその一人。主に離島の猫を撮影し、写真集も出しており、深島には月1回は訪れる。「島民と猫の関係がいいのでしょう。猫の表情がやさしい雰囲気で、たまらなくかわいい」。人を警戒する猫が少ないのが「猫島」の魅力という。

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■迫る「無人島化」の危機…

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