肉も野菜も、電力も…「何でも供給」小自治体連合の挑戦

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東野真和 大西英正
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 首都圏から遠い市町村が連携して同じ大都市をターゲットにしたり、逆に「近い田舎」を生かして人を呼び込んだり。都会と直結することで地域資源を生かそうとする動きが各地に出ている。

370万都市に売り込め

 首都圏で25店舗の飲食店を展開する「アメリカンハウス」の加藤完丈社長(70)は5月、岩手県一戸町の自然再生エネルギーを供給する電力会社と3店舗で契約した。一戸町のアンテナショップが、本社のある横浜市元町の同じ商店街にあったのがきっかけだった。「新たな設備も不要で料金も割安。みんなにも薦めたい」

 ただ、加藤さんが一戸町に注目する理由は、電力だけではない。「肉や野菜など、値段が折り合い、量が確保できれば店で使いたい。地元の青果店などで扱ってくれればなおいい」と、現地の特産品にも関心を寄せる。

 一戸町を含む岩手県北部の9市町村は2月、「北岩手循環共生圏」を結成した。人口を全部合わせても11万人強の小自治体ばかりだが、風力、水力、木質バイオマスなどの自然再生エネルギーによる発電施設がいくつもある。それを、年間生産額が650億円を超す特産品とともに共同で売り込むのが目的だ。地域には「ぶっとべ(豚・鶏・牛〈べこ〉)」など自慢の特産品がある。

 「各市町村がまとまったのは、売り込む相手がはっきりしていたから」と、裏方を務めるNPO法人「仕事人倶楽部」(東京都港区)の山田洋司理事長は言う。

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 その相手とは370万人都市…

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