大阪都構想案、総務相が承認 11月に住民投票の方針

笹川翔平 豊岡亮
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 大阪市を廃止して四つの特別区に再編する大阪都構想の最終案について、高市早苗総務相は28日、「特段の意見はない」とする意見書を大阪府や大阪市などに出した。大都市地域特別区設置法に基づく手続きで、最終案は府市両議会で9月までに議決される見通し。

 同省の高原剛自治行政局長が同日、都構想をめぐる府市の法定協議会会長を務める今井豊府議に意見書を手渡した。今井氏は「今日の回答を受け、法定協議会で(都構想案を)最終決定する」と述べた。地域政党大阪維新の会は11月1日に2度目となる住民投票を行う方針。

 都構想の最終案は、2025年1月1日に政令指定市の大阪市を廃止し、人口約60万~75万人の四つの特別区に再編することが柱。前回の15年の住民投票と比べ、特別区の数を5から4に減らすことで人口や財政力の格差を小さくした。都構想が実現すれば、大阪市が持つ多くの権限が府に移る。

 維新代表の松井一郎大阪市長は28日、記者団に「(新型コロナウイルスの感染拡大で)社会活動を止めるという事態でなければ、住民投票を実施したい」と述べた。

 都構想は15年の住民投票で僅差(きんさ)で否決され、維新代表だった橋下徹氏が政界を引退。当時は維新以外の各党が反対の立場だったが、昨年4月の統一地方選で維新が大勝し、公明が賛成に転じた。自民は府議団が賛成多数となる一方で市議団は反対し、対応が割れる。(笹川翔平、豊岡亮)

大阪都構想をめぐる今後の日程

8月28日 大阪府議会で都構想案を議決

9月3日 大阪市議会で都構想案を議決

11月1日(予定) 住民投票

※住民投票で都構想案が賛成多数の場合

2025年1月1日 大阪市を廃止、四つの特別区へ移行

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