自決でなく「強制死」 ドキュメンタリーで伝える沖縄戦
神田誠司
75年前、沖縄で何があったのか。戦争を生き抜いた人たちの証言と米軍が残した映像などで伝える「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」が今月末から順次、関西の映画館で公開される。取材から3年をかけて撮影、編集した太田隆文監督(58)は「二度と繰り返してはならないという沖縄の思いを届けたい」と語る。
映画は、2019年まで3年がかりで集めた体験者12人の証言と8人の専門家の話を基にしている。1980年代から米国で保管されている沖縄戦の記録フィルムを買い取って上映する「1フィート運動」が展開されたが、今回の映画では、米国国立公文書館などから購入し沖縄県公文書館に保管されている米軍撮影の映像を織り込みながら展開する。
1945年3月に始まった米軍の圧倒的物量による沖縄本島への空襲と艦砲射撃、少年から高齢者まで多くの住民が動員され、日本側だけでなく米軍にも多くの戦死者が出た地上戦。住民を守らない日本軍や各地で相次いだ住民集団自決についても生々しい証言を収めている。
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映画のなかでは集団自決を「…