コロナ不況「むしろこれから」 身構える米銀行大手

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ニューヨーク=江渕崇
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 米国の大手金融機関が、新型コロナウイルスによる不況の長期化に身構えている。融資の焦げ付きに備えて米銀大手が計上した貸し倒れ引当金は、年初からの合計で600億ドル(6・5兆円)に達した。個人や企業が行き詰まる最悪期は、むしろこれから――。そんな警戒感が強まっている。

 米銀大手6行の2020年4~6月期決算が16日に出そろった。最大手JPモルガン・チェースが貸し倒れ引当金として新たに105億ドル(約1・1兆円)を積み増したのをはじめ、6行合計で約350億ドルを引き当てた。1~3月期に計上した約250億ドルを上回り、金融機関がビジネス環境や個人の懐事情について、先行きを厳しく見積もっていることが鮮明になった。

 バンク・オブ・アメリカのモイニハン最高経営責任者(CEO)は「不況は2022年まで長引くと予想しており、将来の貸し倒れに備え、かなりの額を引き当てた」と語った。

 とりわけ、融資主体の商業銀行部門が大きい4行は巨額の引当金が業績を圧迫。ウェルズ・ファーゴが赤字転落し、残る3行も軒並み50%を超す大幅減益に追い込まれた。

 一方で、金融市場が大荒れとなったことや大企業が一斉に資金調達に走ったことなどから、金融商品を売買するトレーディング部門や、株式・社債引き受けなどを手がける投資銀行部門は好調だった。こうした業務が主力のゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの2行は大幅増収となり、明暗が分かれた。

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