第1回表現の場を失い、ギターが泣いた 激震するエンタメ業界

有料記事激震ライブエンタメビジネス

大鹿靖明 デザイン・岩見梨絵
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激震ライブエンタメビジネス①

コロナ禍が直撃したライブエンタメ業界。激震と再生の模索を3回で追う。

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コロナで吹っ飛んだ数十本のライブ

 重低音のドラムとベースにブルースギターが絡むと、場内の空気が一変した。かっこいい。クリームやテイストのような3人組バンド「ザ・サンズ」は5日、東京・原宿のライブハウスに出演した。

 ステージと客席の間には飛沫(ひまつ)感染を防ぐ透明なシートが垂らされた。100人収容可能だが、客席の間隔をあけ、50人に限った。ギタリストのichiro(イチロー)さんが人前で弾くのは4カ月半ぶり。「お客さんもそうでしょうが、僕らが一番生音(なまおと)に飢えてね」。コロナ禍が広がるなか、大阪でクラスター(感染者集団)が発生した2月以降、ライブハウスは相次いで休業を余儀なくされ、演奏家たちは表現の場を失った。ギターが泣いていた。

 ichiroさんは自身の活動の一方、矢沢永吉さんや長渕剛さんらのツアーにも加わる。アリーナから小さな小屋まで年間150本近いライブをこなしてきたが、今年はコロナですでに3分の1の仕事が吹っ飛んだ。「僕だけじゃないですから。大きなコンサートが中止になれば音響、照明、警備まで数百人が仕事を失うんです」

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