福島原発周辺にホテル建設の波 研究者や観光客の争奪も

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力丸祥子
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 福島県の沿岸部でホテルの建設ラッシュが続く。東京電力福島第一原発事故から9年余りが過ぎ、秋には原発が立地する町でも新規オープンする。これまでは復興工事関係者らの利用が多かったが、客層も多様になりそうだ。

 第一原発から北に約9キロ。工事の大型トラックが行き交う浪江町の国道6号近くに15日、「やすらぎの宿 ホテル双葉の杜(もり)」(95室)がオープンする。シングルが中心で、税込みで素泊まり1泊6500円、1泊2食付き9千円。

 町の中心部は2017年3月に避難指示が解除された。町で暮らす住民は約1400人と震災前の1割に満たないが、国家プロジェクトとして国内有数のロボット研究開発拠点や水素製造施設が今年3月に整備され、大きな動きも出てきた。ホテルの志賀崇社長(47)は「離ればなれになっている町民たちが親族や同級生と集まり、戻ってくるきっかけになったり、復興事業に関わる人たちに安らぎを提供したりできるホテルにしたい」と話す。

 かつて原発周辺の町には、海水浴客やサーファーのほか、原発や火力発電所に携わる人たちを受け入れる旅館や小さなホテルが点々とあった。しかし事故で20キロ圏内に避難指示が出た。事故の収束や除染、復興工事をする作業員が寝泊まりする宿の最前線は原発から南に約20キロの広野町となった。

原発の町にホテル「リスクは覚悟のうえ」

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 「とにかく寝る場所が欲しい…

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