現金受領の議員「正直ホッと」 河井夫妻、残した不信感

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 昨年7月の参院選をめぐる一連の疑惑発覚から8カ月余り。前法相で衆院議員の河井克行容疑者(57)=自民党を離党=と妻で参院議員の案里容疑者(46)=同=が8日、公職選挙法違反(買収)罪で起訴され、事件は節目を迎えた。その一方で現金の配布先とされた、地元議員らを含む100人の刑事処分は見送られ、あとには「政治とカネ」への不信感が残った。

 「受け取った側が処分されないのはどうなんかな。正直ホッとしたという思いはあるけれど、受け取った罪は消えない」。チラシ配りを頼まれ、後日、克行議員から現金を受け取ったという議員はこう漏らす。

 返金しようとしたが、事務所に克行議員がおらず返せなかったという。「河井夫妻にだけ責任を押しつけ、被害者面(づら)はできない」とも。次の選挙には出ないと決めており、「裁判で証人出廷を求められたら、正直にやり取りを証言したい」と語った。

 克行議員に封筒を置いていかれ、現金と知って後日返したという県議は「妥当な判断をしてくれた」と喜んだ。「これだけの人数に河井夫妻が現金を置いて去るという特異な事件であり、検察が河井夫妻の問題ととらえてくれたのであれば、ありがたい」と話した。一方、別の市議は「これで終わりなのか。まだ信じられない。『処分見送り』という判断であれば、裁判などで協力しないといつでも引っ張るぞという脅しにも感じる」と不安を口にした。

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 計200万円を受け取ったと…

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