堤恭太
北朝鮮による拉致被害者田口八重子さん(64)の写真展が27日、JR川口駅東口の埼玉県川口市立中央図書館で始まった。会場では、警察庁が拉致の可能性を排除できないとした特定失踪者の家族も加わる「拉致問題を考える川口の会」が署名活動をしている。横田めぐみさんの父、滋さんが87歳で今月5日に亡くなったが、家族の高齢化はここでも重くのしかかる。
田口さんは7人きょうだいだが、次兄の進さんは2014年に亡くなった。この日、写真展を手伝う進さんの妻綾子さん(73)は「人前で話すのが苦手な人だったので、裏方で八重子さんのために一生懸命活動していました」と振り返る。長兄で拉致被害者家族連絡会代表の飯塚繁雄さん(82)は政府への要請活動などに参加するが、「もう倒れそうだよ」とこぼす。
特定失踪者の佐々木悦子さん(56)の母アイ子さん(81)は、悦子さんら3人の子供がいて孫3人、ひ孫6人に恵まれた。その家々に招かれた時は楽しく過ごすが、帰路では悦子さんのことを思い出す。「私たちが死んで拉致が過去のものになればいいと思っているのかねえ」。こうした思いは拉致被害者、特定失踪者の家族に共通する思いだ。
それでも浦和と川口の駅前で続…