死者1千人、「入鹿切れ」から150年 大岩が語る脅威

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角拓哉
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東海の防災を考える

 愛知県犬山市にある国内最大級のため池「入鹿池」が決壊し、多数の死者が出た「入鹿切れ」から150年余。被災地域では、今も風化を防ぐための活動が続く。県も5月、8市町に被害が及ぶ浸水想定区域図を公表し、万一への備えを呼びかけている。

 入鹿池から北西に4キロ。妙国山興禅寺(同市羽黒)の境内に、高さ4メートル、重さ15トンの大岩がまつられている。1868(慶応4、明治元)年の長雨で池の堤が決壊し、約1千人が死亡したとされる「入鹿切れ」。その際、寺の近くまで流れ着いたものという。

 「いかにすさまじい水の勢いだったか、岩の大きさで想像できる。百聞は一見にしかずだ」と、第25代住職の林義堂さん(85)。期待するのは防災意識の向上だ。自由研究などで入鹿切れを調べる子どもたちが寺を訪れるたびに、水害の恐ろしさと、高い所へ避難することの大切さを教えている。

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