大阪府立大(堺市中区)と市立大(大阪市住吉区)を統合した新大学の名称が26日、「大阪公立大」に決まった。約10年前に橋下徹知事(当時)らが「府市協調」の象徴的な事業として打ち出した構想が本格的に動き出す。2022年4月の開校予定。大阪城近くに本部を移して、近畿一円からの学生獲得を目指す。一方で、財政のスリム化が課題だ。

 この日、両大学を運営する公立大学法人大阪と府、大阪市の3者が同市役所で会議を開き、「大阪公立大」「公立大学大阪」「大阪総合大」の3案から新名称を決めた。英語表記は「University of Osaka」(大阪大は「Osaka University」)。「大阪城大」「なみはや大」「森之宮大」も候補に挙がった時期があったという。

 吉村洋文知事は「シンプルにわかりやすい」。松井一郎市長も「府大、市大の歴史伝統を継承しながら大阪の発展に貢献する。非常にわかりやすく望ましい」と賛成の理由を説明した。

 大阪市を廃止して四つの特別区に再編する大阪都構想の議論が進んでおり、11月には是非を問う住民投票がある見通しだ。大阪維新の会は、都構想を実現すれば、法改正で府の名称を「大阪都」に変えることを目指す。維新幹部は「『大阪公立大』にしておけば、『大阪都立大』に名称変更できる」と含みを持たせる。

 同法人は、10月には文部科学省に新大学の設置認可を申請。来年8月の認可をめざす。その後、府市それぞれの議会に定款変更についての議案も提案する。

 新大学の学部の入学定員数は、…

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