専門家会議「純粋科学と違う」 自らの役割に苦悩の日々

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 新型コロナウイルス対策についての政府の専門家会議のメンバーが24日、組織の見直しを求めた。権限や責任があいまいなまま、対策や市民の行動変容など積極的な発信をしてきたことに、批判も出ていた。自らを省みた会見のさなか、政府は新たな会議体の立ち上げを発表した。政治と科学の関係はどうあるべきか。他国も模索している。

 「感染症対策というのは、実験室の学問や純粋科学とは違う」。24日夕。日本記者クラブ(東京)で会見した専門家会議の尾身茂副座長はそう述べ、新型コロナ対策の難しさの背景を語った。

 感染の拡大防止には人々の行動を変えることが必要になる。誰がどうお願いするか。元々医学的見地から助言するのが目的だった専門家会議は、権限と責任に法的根拠はなかったが、積極的な発信を続けた。迅速に対策を伝えないと、国内で感染が爆発的に広まるとの危機感が、メンバーに高まったためだ。

 会見で、脇田隆字座長は前のめりになった理由を「(政府の)諮問に答えるだけでなく、対策をとる必要があると考えた」と語った。

 こうした経緯を踏まえて公表した提言では、専門家会議に「本来の役割以上の期待と疑義の両方が生じた」と記した。さらに詳しい提案を示すと期待感を高めたり、逆に、人々の生活に踏み込んだと受け止め警戒感を高める人が出たり。「国の政策や感染症対策は専門家会議が決めているというイメージが作られ、あるいは作ってしまった」と指摘した。

 専門家会議の提言は3月中旬から、専門家が厚労省とともに作るようになった。このため、記述の責任があいまいになった。

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 ただ、会見で政府からの独立…

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