第2波の北京「まるで監獄だ」 政権の威信かけ徹底対策

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北京=西村大輔 高田正幸
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 中国の首都・北京が新型コロナウイルス感染の第2波に襲われ、緊張が高まっている。当局は「戦時状態に入った」として、大規模な移動規制やPCR検査など強い対応に出る。新規の感染者は規制緩和を進める東京より少ないが、政治的な背景もあり、あくまで完全制圧を目指す構えだ。(北京=西村大輔、高田正幸)

市場隣接、団地も封鎖

 「全関係者を検査するため営業を休止します」

 18日、市中心部の天陶紅蓮菜市場は人の姿もまばらで、入り口にこんな貼り紙があった。この市場では関係者から感染が出て、14日に閉鎖された。感染者は、クラスターが発生した新発地卸売市場にも出入りしていたという。

 隣の団地の門も閉ざされた。内側にいた20代の男性は「この辺の団地は全部封鎖された。買い物にも行けない。まるで監獄だ」と苦笑し、門を隔てて宅配員から飲料水を受け取った。近くの居住区に設けられた検問所では、外出を求める中年男性が「おれにも生活がある。待ち続けるわけにいかない」と憤り、防護服を着た担当者が「あなたの家で感染者が出たら大変なことになる」と必死で制止していた。洋服店の女性店員は「2カ月休業して4月からやっと客足が戻ってきたのに、また一人もこなくなった」とあきらめ顔だ。

「第1波」を上回る勢いの「第2波」

 北京では4月16日以降、56日間、感染が確認されなかった。だが、今月11日の感染確認以降、13日の36人など連日20人以上の新規感染が出て、19日までの累計は205人に達した。重症者も13人いる。

 中国で感染が深刻だった2月上旬、北京の感染者は1日最大29人。「第2波」の勢いは当時を上回る。

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 市当局は大規模な措置を次々…

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