250匹のゲンジボタルの舞 幻想的な光の世界を演出
東京都足立区の「足立区生物園」で6月上旬、ホタルの観賞会があった。同園で20年以上続く恒例行事だが、新型コロナウイルスの感染拡大防止でライブ中継になった。1辺2メートルのアクリルケースの中で、約250匹のゲンジボタルが幻想的な光の世界を演出。その様子を360度カメラで撮影した。
ホタルの中継は園も記者も初の試み。ホタルは何匹必要? 機材や音声は? 告知は? 正式に決まったのは本番1週間前だった。
「3、2、1」。中継初日、緊張しながらも開始ボタンを押した。チャットのコメントが次々に表示される。「癒やされる」「元気になりました」「初めて見た」……。関係者一同が安堵(あんど)の表情を浮かべた。同区の介護施設では車いすの高齢者が大型モニターを囲んで観賞した。
ゲンジボタルは体長10~16ミリ。幼虫は肉食でカワニナや巻き貝を食べ、成虫になると水しか飲まない。自然界での成虫の命は約1週間。日本に生息するヘイケボタルやヒメボタルより体が大きく光も強い。ホタルは卵から成虫まで光を放つ。ホタルの光は求愛、合図、警告のためといわれ、解説員の小沼達生さんは「一生懸命に輝くホタルの光を見て、自然環境や命の尊さを考えるきっかけになって欲しい」と話す。
小沼さんによると、ゲンジボタルの発光周期は、西日本は2秒に1回、東日本は4秒に1回点滅するという。静岡県付近の山脈でホタルの生息域が分断され、ホタル同士の行き来が無くなったという説がある。
ホタルはなぜ、光るのか。「…
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