拡大する写真・図版アクリル板をはさみ、2本のマイクを使って漫才をするミルクボーイの駒場孝さん(左)と内海崇さん。1・8メートルの間隔をあけている=大阪市中央区のよしもと漫才劇場

 新型コロナウイルスの影響で公演を取りやめていた吉本興業の劇場が19日、110日ぶりに観客を入れて復活する。とはいえ客席の稼働率は1割ほど。芸人にも1・8メートルの距離を求め、漫才コンビの間にアクリル板を置いての再出発。名物の吉本新喜劇も見送られるなか、爆笑は帰ってくるのか。

 再開するのは、いずれも大阪市の「なんばグランド花月(NGK)」「よしもと漫才劇場」のほか、「ルミネtheよしもと」(東京都)「ヨシモト∞ホール」(同)「よしもと幕張イオンモール劇場」(千葉市)の5劇場。

吉本5劇場の公演日
各劇場とも観客を入れる公演は金曜・土曜・日曜に限定している。

コロナ対策とお笑い

 アクリル板は透明で、高さと幅は約2メートル。漫才のマイクはそれぞれに1本ずつ。1組ごとに、マイクとアクリル板をスタッフが交換。舞台裏で、次のネタの間に消毒を終える。

拡大する写真・図版1組のネタが終わるたびに使用したマイクとアクリル板を交換する劇場スタッフたち=大阪市中央区のよしもと漫才劇場

 客席の様子も一変する。1・8メートルの間隔を確保するため、よしもと漫才劇場は305席を34席に限定。座席の幅が0・8メートルのNGKは3席空けて座ってもらい、858席から112席になる。5劇場とも総座席の1割程度の使用で、かつての大爆笑のボリュームは望めそうにない。

拡大する写真・図版公演を再開する「なんばグランド花月」の客席。1・8メートルの距離を確保するために3席空けて「こちらのお席はご利用できません」=2020年6月18日、大阪市中央区

吉本新喜劇が復活しない理由

 吉本興業のNGK総支配人で、劇場事業本部本部長の奥谷達夫副社長は「専門家に相談して、1・8メートル離れれば飛沫(ひまつ)感染の可能性は下がると決めました。ただ、漫才のスタイルは様々なので今回はより慎重にアクリル板も置くことにしています。吉本興業が感染予防を踏まえて提案した一つのスタンダードです」と話す。

拡大する写真・図版吉本興業の奥谷達夫副社長=2020年6月17日、大阪市中央区

 一方、NGKの目玉の一つだっ…

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