「誰の責任でもないが…」34歳、コロナで内定取り消し

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大村久
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 新型コロナウイルスの影響で内定取り消しになった――。3日、佐賀市役所で、新型コロナに関する弁護士の無料相談会があった。訪れた若い男性。相談後、記者が声をかけ、身の上を聞いた。

 佐賀市に住む34歳、独身。アルバイトの休憩時間に相談にやって来た。

 4月から、東京の大手不動産会社への就職が内定していた。しかし会社から自宅待機を指示された。大型連休も過ぎた5月11日、メールが来た。「新型コロナの影響で採用活動を無期限で停止する。事情をご賢察のうえ、ご了解を」

 本採用ではないとして、待機中の給料は支払われないという。都内で2月末、すでに家賃約7万円のワンルームを借りていた。下見で1回入っただけで解約。これまでの家賃や解約金など、支払いは50万円以上にのぼったという。

 「コロナはどうにもできないし、誰の責任でもないが……」。肩を落とす一方、友人が食事に誘って励ましてくれたり、家族の支えを受けたり。「人の優しさや愛情といった、大切なものに気づくことができた」とほほえんだ。

 相談では、内定していた会社に家賃補助などを申請できる可能性はあると助言してもらったという。「心が軽くなった。前向きに頑張っていく」と話し、アルバイトへ戻っていった。

 相談を受けた奥田律雄弁護士によると、同様に内定を取り消された複数の大学生から相談があった。今後は若者の就職だけではなく、資金繰りの悪化や高齢化などから、商売をやめる人が増えることも考えられる。「ささいなことでも構わないので気軽に足を運んでもらい、仕事や生活の悩みなどを相談してほしい」と呼びかけている。

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 佐賀県市長会と県弁護士会は…

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